日本人なら誰もが知っている企業の住友不動産は、都市部の再開発を通じて街に新たな価値を提供しています。
再開発が地域経済に与える影響
六本木エリア(泉ガーデンタワーを中核とする街区)
これらを全てなくすのではなく、活用できるものは残し、通路を広げるなどして区画が整備されました。
他エリアでも進む住友不動産の再開発プロジェクト
住友不動産は六本木だけでなく、東京の主要エリアで数多くの再開発を推進しています。これらのプロジェクトはいずれも「老朽化エリアの再生」と「都市機能の向上」を両立させ、地域経済に新たな活力をもたらしています。
新宿グランドタワー(西新宿六丁目西地区)
画像引用:再開発への取り組み|住友不動産
西新宿エリアでは、超高層オフィスビル「住友不動産新宿グランドタワー」を中心に、歩行者デッキや公共空間の整備が進められました。
複数の街区をつなぐこの再開発は、働く人・訪れる人の回遊性を高め、「職・住・遊」の調和した都市空間を形成。
新宿駅西口エリアの経済活動を大きく押し上げています。
東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業
住友不動産は、豊島区で進む「東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業」にも参画しています。
このプロジェクトも、池袋駅東口エリアの防災性向上と都市機能の更新を目的とした大規模複合開発で、2022年7月に再開発組合が正式に設立されました
(画像引用・出典:住友不動産プレスリリース)
こちらはは特定都市再生緊急整備地域内に位置し、老朽化建物や未利用地が目立つ地域でしたが、再開発により約1.5haの敷地に地上33階建・延床面積約155,000㎡の複合施設を建設予定。
事務所、文化体験施設、イベントホールなどを備え、「国際アート・カルチャー都市・池袋」の魅力をさらに高める新たな拠点となります。
加えて、敷地内には約4,900㎡の広場「みどりの丘」や、池袋駅前公園を結ぶ「みどりのプロムナード」を整備。
緑地と歩行者ネットワークを連続させることで、訪れる人が自然の中で滞在や交流を楽しめる都市空間を実現します。
また、建物には帰宅困難者受け入れスペースや防災備蓄倉庫を備えるなど、防災対応力の強化にも重点を置いています。
さらに、地域冷暖房システムの導入によりエネルギーの面的利用を推進し、環境負荷低減にも貢献。
これらの施策により、安全性・快適性・環境性能を兼ね備えた次世代のまちづくりが進められています。
画像引用:泉屋博古館分館
住友不動産の再開発をエリア別に比べてみた
六本木・新宿・池袋は、同じ「再開発」でも狙いが少しずつ違います。ここで一度、ポイントを整理してみます。
✅ 六本木:泉ガーデンタワーを中核とする街区
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もともとの課題:木造密集などで防災性が乏しい/庭園が一部の人しか入れない
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再開発で整ったこと:通路を広げるなど区画を整備し、街の動線を改善
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街並みの維持:庭園は美術館の建設によって保存活用され、文化面でも魅力が増した
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ひとことで言うと:新しくするだけじゃなく、自然や文化を残して活かす再開発
✅ 西新宿:新宿グランドタワー(西新宿六丁目西地区)
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狙い:超高層オフィスを中心に都市機能を更新しつつ、人の流れを作る
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再開発で整ったこと:歩行者デッキや公共空間の整備で、複数街区のつながりが強化
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街の変化:働く人・訪れる人の回遊性が高まり、「職・住・遊」の調和した都市空間に近づいた
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ひとことで言うと:街区をつないで、歩いて回れる新宿を作る再開発
✅ 東池袋:東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業
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もともとの課題:防災性向上と都市機能の更新が必要/老朽化建物や未利用地が目立つ
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再開発で整ったこと:複合施設(事務所、文化体験施設、イベントホール等)で拠点性を強化
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緑と動線:広場「みどりの丘」や「みどりのプロムナード」で、滞在しやすい空間づくり
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防災・環境:帰宅困難者受け入れ、防災備蓄、地域冷暖房などにも配慮
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ひとことで言うと:防災と快適さをセットで底上げする、次世代型の拠点づくり
こうして比べてみると、六本木は「自然・文化を残す」、西新宿は「回遊性を高める」、東池袋は「防災と環境を強化する」という色が出ています。再開発は建て替えだけではなく、街の使われ方そのものを整えていく取り組みなんだなと感じます。
再開発エリアでの災害対策の重要性
上記の例にも挙げてきましたが、再開発エリアの設計には、災害対策が欠かせません。特に都市部の再開発では、火災・洪水・地震やそれによる影響で発生する帰宅困難者への対応などのリスクに備える取り組みが重要視されています。
最新の建築物を導入すると言っても、耐震基準を満たし、防災拠点として活用できる施設であることが求められているのです。
実際の災害時には迅速な避難や救助活動が行えるよう、道路や公共スペースの配置も再開発計画の重要ポイント。
災害時を想定した開発をすることによって、平常時にも安全で快適な環境が提供されます。
投資家にとっての再開発のメリット
再開発エリアは、投資家にとっても非常に魅力的な場所です。
・ZEBとは?
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと
・ESG投資とは?
ESG投資とは、企業の環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関する要素を重視して行われる投資のこと
従来の財務指標に加えて、環境保護への取り組み、労働環境、経営の透明性などが評価され、持続可能な社会の実現に貢献する企業が選ばる。ESG投資は企業価値の向上を図りつつ、長期的なリスク低減と安定したリターンが期待されるため、投資家や企業の間で注目が集まっています。
地主の方の意見
再開発について、その土地を所有する地主さんはどう思っているのでしょうか。 今回紹介した六本木の再開発事業に携わった方のお話を引用します。住む人や働く人にとってベストの環境だ。 特に自然を残して静かな環境を作ってくれたことを高く評価している。 昔はヘビ、蛙、蝉が沢山いた。今も蝉の声が絶えない。これは旧住友会館の緑、なかんづく大木を残してくれたおかげだ。素晴らしく変わった部分と、昔のままの自然が共存しているのは貴重だ。マンションも落ち着いた外装が良い。
引用:住友不動産
地主さんは所有する土地のことを本当に大切に思っており、再開発とはいえその土地の歴史や、古き良き部分はある程度残したいと考えているのが普通だと思います。
そんな中、昔の自然豊かな環境と蝉の居場所を残してくれたことは、住友不動産がただビジネスとして再開発を進めたのではなく、地主さんや地域の環境を尊重していることも見て取れますね。
再開発による持続可能な街づくり
環境に優しい都市設計とエネルギー効率
・ヒートアイランドとは?
ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周りの地域より高くなる現象のこと。ビルや道路などの建物が多い場所では、コンクリートやアスファルトが日中の熱を吸収して、夜になっても熱を逃がさず、周りが冷えにくくなります。また、エアコンや車の排気ガスなども、空気をさらに温めてしまう原因です。これによって、夏の暑さが一層厳しくなり、エアコンの使用時間が伸びたり設定温度がどんどん低くなるなどエネルギーの消費の多さが新たな問題になります。
地域住民の生活品質向上
公園や広場が新たに設置されれば、住民がリラックスできる場所も増えます。
地域の再開発と住友不動産についてのまとめ
画像引用:泉ガーデンタワー
住友不動産が手掛ける再開発は、ただ新しい建物を作るだけではなく、地域全体を元気にし、住みやすくより安全にするためのプロジェクトです。
新しいオフィスや商業施設が増え、ビジネスが活気づくことで、働く場所も広がり、地域の価値がさらに高まります。
また、近年は緑豊かな公園や環境に配慮した建物など、地球にも優しい設計がされているため、住民も快適な生活を送れるようになります。
一度再開発について知ると、新しく建ったビルやその周辺の環境がどう変わったのか、どんな点が環境にいいのかなども気になりますし、実際に足を運ぶときの楽しみも増えますね。
みなさんもぜひ様々な点に注目してお出かけしてみてください。
